カッコウ Ⅱ
「もうヒロは大人だから。誤魔化さないで話すよ。多分、その人がヒロの父親だよ。」

大翔の胸は大きく波打つ。

天井がグルグル回るような、危うい感覚に大翔は包まれた。
 

「ヒロ達がこっちに来る前の日に、お兄さんにわかったらしい。お兄さん、一晩中悩んで。でもこのまま暮らしたら、いつか必ずヒロを傷付けてしまうって離婚を決意したらしいよ。」

大翔は何も言えずに哲也を見つめる。

由美も知らなかったようで、驚いた顔で哲也を見ていた。
 


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