カッコウ Ⅱ
哲也の子供の美紀は5才、俊太は3才のいたずら盛り。

大翔は小さな従兄妹達に癒されていた。
 

「ヒロ君、外でボール投げしようよ。」

美紀が大翔の腕を引く。
 
「えー。こんなに暑いのに外で遊ぶの?」

渋々立ち上がる大翔を由美が笑う。
 
「外、蚊がいるから。虫よけしてね。」と言って。

大翔を特別扱いしない由美。

積極的に子供達の世話をさせる。

賑やかで慌ただしい時間に大翔は救われていた。
 

「ねえ、ヒロ君。ご飯食べたら花火しようね。」

大翔の足元を走り回る俊太が言う。
 
「花火か。じゃ早くお風呂入ろうね。」

大翔は毎日、俊太をお風呂に入れていた。

温かく受け止めてくれる哲也達の役に立ちたかったから。

疲れるまで子供達と遊ぶことで大翔の気が紛れていたから。
 


< 76 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop