カッコウ Ⅱ
「ヒロ君、洗濯物取り込んでくれる?」

子供達と庭に出ていた大翔に由美が言う。

普通に扱ってくれる由美に、大翔はとても救われていた。
 

「人使い荒いなあ。」

と笑いながら、子供達の衣服で溢れる洗濯物を取り込む大翔。
 
「何か言った?」

窓の近くにいた由美に聞き返されて、
 
「いいえ。何でもありません。」と大翔は笑う。

ひどく落ち込んでいるはずなのに、毎日笑っている自分に驚く。
 

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