カッコウ Ⅱ
『パパは仕事で外国へ行くから。今日から大翔達は、お祖父ちゃんの家で暮らすよ。』

と言った。

仕事が終わったら帰ってくると信じて、大翔は孝明を待っていた。
 
『ねえ、パパはいつ帰って来るの?』

みどりも祖父母も大翔が聞くと悲しい顔をした。
 
『お仕事が終わったらね。』

みどりは大翔の目を見ずに、そう答えた。
 
『いつ終わるのかな。入学式までには終わる?』

大翔はずっと孝明を待っていた。

夜、車の止まる音がすると、
 
『パパかな。』と言って玄関に走った。
 


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