カッコウ Ⅱ
孝明 1
孝明はその日の夜、大翔のことを麻美に話した。
 
「それで、大翔に会いたいんだけど。いいかな。」

と言う孝明に麻美は頷く。
 
「もちろんよ。」と。
 
「麻美が嫌じゃなければ、ここに呼びたいんだけど。」

少し遠慮がちに孝明は言う。

麻美は驚いた顔で、
 
「私達も会っていいの?大翔君、タカと二人で会いたいんじゃない?」

と聞き返した。
 
「俺の今の生活を見せた方がいいと思うんだ。大翔、自分に罪悪感を持っているかもしれないから。」

孝明の思いやりに麻美はいつも驚く。
 
「そうだね。ひとみ達のお兄ちゃんだし。賑やかな方が大翔君の気も紛れるね。」

麻美も笑顔で答える。
 
「ありがとう。麻美の理解があって、俺、救われるよ。」

孝明は温かい目で麻美を見た。
 


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