カッコウ Ⅱ
日曜日、余裕を持って家を出た大翔は、約束の15分前に待ち合せた駅に着いた。

孝明が住む街は都会で、大翔の家のまわりとは景色が全く違う。
 
人が多い駅前で、辺りをキョロキョロと見回しながら待っていると、
 

「大翔。」

と声を掛けられた。

大翔が声の方を向くと、懐かしい笑顔の孝明がいた。
 
「お父さん。」

大翔も思わず呟いていた。
 
「大翔、大きくなったな。最後に会った時は、このくらいだったのに。」

孝明は大翔の全身を見つめた後で、腰の辺りを指して言う。
 
「うん。もう高2だから。」

大翔も笑顔で答える。

孝明は昔と同じ笑顔だった。

懐かしくて、会えたことが嬉しくて。
 


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