ウチの塩が切れました。
え?え?
どうしよう、なにもかも理解できてない。
「俺の名前は」
「……塩崎くん」
「違う、下」
下の名前………たしか……、
「真絋……」
『しおざきまひろだよ、よろしくね』
たしか幼稚園のとき。私はずっと“まーちゃん”と仲良くしてた。
でも、小学校に上がるときに受験したみたいで。
「え、いや、でも……」
「……いい加減認めてくれる?幼なじみが拝んでくるの、そろそろ飽きた」
あ、飽きたって。
そんな理由でからかってきたの……?
「あとそんな理由で莉心が俺の告白を受け入れないなら。俺は“まーちゃん”に戻るけど」
え、いや、まって、ほんとに。
まだ頭追い付けてない。
奇跡のクール男子だと思ってた塩崎くんがまーちゃんで、まーちゃんは女の子じゃなくて塩崎くんで、………うぅ無理。信じられない。