ウチの塩が切れました。
だって、言ったってどうせ、塩崎くんは聞いてくれないし。
私の話を聞いてくれてるようで聞いてくれない。
……ある意味ワガママなんだと思う、塩崎くんって。
「言ってくんないとわかんない」
「や、別にわかってもらおうと思ってないし……、っ……!?」
待って待って待って。
なんでそんな怖い顔するの……!?
塩崎くんの圧がすごい。
「言って」
「う……」
おわかりいただけるだろうか。この圧倒的な力関係。
どうしたって私の負け。いつもそうだ。
「……なんでついてくるの」
「莉心が心配だから」
「ジュース買いに行くだけなのに……」
そう言っただけで、塩崎くんはハァ、とわざとらしくため息をつく。
私の方がため息つきたいよ……。