UNCERTAIN STORY
「げっへっへ。子供ってのは生意気だよな。」

「だな、相棒。チビのくせにな。」


ぷちっ…


私は奴等の間を通り過ぎ、振り返った。

「あのね、ワンちゃん…世の中には言っちゃいけない事があるんだよ~。」

私の親切な忠告に、右側の犬がまたも下品な笑い声をあげた。


「おい、相棒。子供がいっちょ前に怒ってるぜ。あれ?相棒?」

反応が無い相棒を不思議に思ったのか、その犬は相棒の肩に触れた。
その瞬間に相棒は糸の切れた操り人形のように崩れ落ちた。


「て、てめえ!!何をしやがった!?」

何が起こったのかが全く解らないらしく、うろたえた表情で私に問詰めた。

私はため息をつきながら、答えてやった。

「はぁ~…。まったく…この程度のスピードでさえ見えないなんて。
簡単よ。すれ違いざまに、その失礼な犬の腹を十発殴っただけだし~」


もう一匹の犬は、あからさまに驚きと恐怖の表情を浮かべた。

「お前…一体何者だ?」

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