UNCERTAIN STORY
「私?私はリイム・ヴィレッド。可愛さ満点の16歳よ」

キュートなポーズで自己紹介してやったのに、目の前の犬ときたら、ガタガタ震えだしちゃったよ。
失礼な獣だなぁ~。


「リ・リイムって…まさか【破滅の魔神】!?」

…何を言ってるんだろう、この犬は…。
【破滅の魔神】って…。こんなに可愛くて非の打ち所が無い美少女に対して…泣いちゃうぞ。

私が心の中で批判しながら睨んでいたら、それを言った張本人は更に震えが大きくなっていた。

お前は氷河期か?


「う・うわああああー!!!殺されるー!!!」
ウェアウルフはそんな事を叫びながら、全力で走りさっていた。


「?」

全く…何だったんだろう。迷惑極まりないね。

ん~、まあいっか。
さーて、町に行きますか~。


そういや、引きずってるゴミの復活が遅いなぁ~。
いつもだったら、どんな攻撃を受けても三分以内に元に戻るのに…何かあったのかと、顔を覗き込んだら…熟睡してやがる…。

「てい」

私は掛け声と共に、生ゴミの顔面に足をめり込ませた。

「さってと、この町ではどんな依頼があるかな~?」

何故かまたしても気絶した粗大ゴミを引きずりながら、目の前の町【サンエナ】への期待に胸を踊らせていた。

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