私の仮恋人は親友のお兄さん
「嘘
お兄ちゃんの昔の女について
話をしたら
たくさんあり過ぎて
話がつきなくて
朝方になっちゃって
眠くなったから
寝た
それだけ」
果恋ちゃんは
布団にもぐった
まだ眠いのは
私と一緒のようだ
「お前は出ろ!」
廉人さんが
果恋ちゃんを
無理やりベッドから
出そうとする
「えー
まだ眠いんだけど?」
「すぐ下がお前の家だろ!
自分の部屋で寝ろ」
「そこまで歩けないし~」
「俺が引きずってでも
連れて行ってやる」
「はいはいはい
わかりましたよ
全く我が儘男はやだやだ」
「我がままはどっちだ!」
果恋ちゃんは
眠い目を擦りながら
ベッドから出た
「またね
花音」
私に手を振って
廉人さんを睨んでから
果恋ちゃんは家を出て行った