私の仮恋人は親友のお兄さん

「居間に妹がいるから
ソファに座っててくれる?」


柔らかい口調に
まろやかな声が
似合う人だ


声のトーンも
少し低めで


男らしい


「お兄ちゃん、早く紅茶
淹れなさいよ」


「うるせぇな
自分でいれろっつうの
俺はこれから仕事だって
知ってるだろうが」


私の前を歩いていたお兄さんの
雰囲気が一気に変わる


強めの口調で話す
お兄さんはちょっと怖い


「だから可愛い妹のために
休めってメールしておいたでしょう?」


「メール?
んなの知らねえよ」


「そうやって
可愛い妹のメールを
無視するんだから

あ~あ、ヤダやだ
これだから
仕事マンは嫌いなのよ」


「あのな…
本当に知らねえんだよ」


「じゃ、今すぐ
休みの電話をいれなさい

お兄ちゃんくらい
いなくたって
仕事なんてどうにかなるから」




< 12 / 204 >

この作品をシェア

pagetop