私の仮恋人は親友のお兄さん

同級生

廉人さんは
あまりパーティに出ない人のようで

次から次へと
声をかけられては
その人たちと話しこんでいた

最初は廉人さんのそばにいたけど

あっちへ引っ張られ
こっちへ引っ張られる

廉人さんと
すっかり離れてしまった

広い会場内

廉人さんの姿が
見える位置にはいるけれど

傍に近寄れなかった

「木下の連れは忙しそうだね」

「そうみたい
本人は面倒くさがってたけど

顔が広いって
仕事をする上でいいことだと思うし」

「雰囲気変わったね」

「そう?
それなら廉人さんのおかげだよ」

「付き合ってるの?」

「うん」

たぶん
…今日までの関係だけど

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