私の仮恋人は親友のお兄さん

一週間の疲れからか
私はベッドで寝てしまった

夕方に目が覚めた
２時間くらい昼寝をしていたようだ

気分転換に
妹と一緒に散歩にでかけた

ジャージのまま
近所の商店街を歩き
そして家に戻る

「お…お、お姉ちゃん！
あの車って？」

家のマンションの前に

黒の大きな車が停まっていた
見たことのある車だった

廉人さんの車だ

「隠れよう！」

私は自転車置き場に隠れた

「え？
ちょっと…」

妹が出遅れた

ちょうどマンションから
出てきた廉人さんは

買い物袋を持っている妹に
気づいたようだった

大股で近づいてきた

私が隠れているのには
気づいていない

「花音の妹だよね？」

「あ、はい」

「花音がどこにいるか
知ってる？」

「えっと
一緒に商店街に出かけて

本屋に寄りたいって
言ってたから

まだ商店街の本屋にいるかと…」

「ありがとう」

廉人さんはマンションの前に車を停めたまま

妹が指をさした
商店街へと
歩き出した

路地を曲がり
姿が見えなくなると

私は
駐輪場から出てきた