私の仮恋人は親友のお兄さん
私はハッとして
体を起こした

「いたっ…」

股が痛い

私は廉人さんのベッドで寝ていた

部屋は真っ暗で
隣には廉人さんはいなかった

よろよろとベッドから出ると
部屋の電気をつけた

ベッドを見ると
シーツに血がついていた

痛いわけだ
こんなに血が出てたんだ

廉人さんのシーツを汚してしまった

私はベッドからシーツをはがした

ベッドパットにも血がしみ込んでいた

どうしよう…

困ったな

ジャージも見当たらない
着替えがないと
服が着れない

「何をしている?」

廉人さんがドアを開けた

私は手に持っていた血のついている
シーツで体を隠した

「えっと
汚しちゃったので」

「かまわないよ
新しいのを出すから」

「あと、ジャージが」

「服なら、クローゼットに入ってるだろ」

「あ、うん」

廉人さんは血のついたシーツを
受け取ると
洗濯かごに入れに行った

クローゼットを開けて
新しいシーツを出した

私は廉人さんが
開けっ放しにしたクローゼットから

服をとった

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