私の仮恋人は親友のお兄さん
「ファックスが届いたんだ
麗華の父親が
自分の息のかかる小会社
全てと
契約のある会社に連絡したのだろうけど

木下 悟をリストラしたが
再就職で面接に来ても
絶対に受け入れるな、とな

麗華が父親に頼んだと
すぐにわかった

俺は別に、麗華の会社と手を切っても
十分にやっていける

むしろ手を切りたい

あの会社はもう下降するしかないからな

だから
連絡をした

このまま仕事先をさがしても
どこも受け入れてくれない

だから
その気があるなら
うちの会社で面接をすると」

「それで部門長って
おかしいじゃないですか!」

「はっきり言う
下心があるから、花音のお父さんには
役職を与えた」

「下心?」

「そう、花音と結婚したいと
君のお父さんは承諾してくれた」

「は?」

「聞こえなかった?
俺は、花音と結婚をしたい」

「え?」

「花音も相当耳が遠いね」

「そういうことじゃなくて!
廉人さんの考えてることが
わからないんです」

「ちゃんと言っているよ
結婚をしたいって」

「何で結婚なんですか?」

「夫婦になりたいから」

「わけがわかんない」

「ちゃんと理由は言っただろう?」

そういうことじゃないよ

なんでわからないかな?

私は頭を抱えた
廉人さんの考えがわからないよ
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