私の仮恋人は親友のお兄さん
私は下を向いたまま
体が固まってしまった
緊張と
申し訳なさと
恥ずかしさで
廉人さんの顔を見ることも
部屋の様子を見ることも
紅茶を飲むことさえも
できなかった
廉人さんが
立ち上がる
私の体は
驚きで
びくっと
跳ね上がった
立ち上がった
廉人さんは
私の隣に座ると
私の肩を抱いた
「あ…いえ
あの…」
私は廉人さんの腕を振り払って
距離を開けて
座りなおした
「やっぱり
よくないですよね!
急にそんなことを言われても
困るっていうか
迷惑ですよね…」