私の仮恋人は親友のお兄さん

「花音!
起きて、起きなさい
廉人さんがお迎えに来てるわよ」


私のベッドに飛び込んでくると
母親が
布団を勢いよく叩いた


え?
今、何時?


枕元にある携帯を
手に取ると時間を確認した


まだ朝の5時だよ…
私の起床時間は6時なのに


「失礼します」


低い声が聞こえてくる


「花音、おはよう」


私の目は見開く
勢いよく起き上がると


廉人さんの額と
私の頭がぶつかった


「いったぁい」


私は頭を押さえると
再び
布団の中に潜った


「どうしてここに?」


「朝から来ちゃいけないの?
俺ら、恋人同士でしょ?」


「え?」


だって恋人同士のふりをするだけで
放課後に会って

美容院とかエステとかして




一週間後に備えるだけじゃないの?


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