私の仮恋人は親友のお兄さん

放課後

廉人さんが車で正門に迎えにきた

私はそそくさと乗り込む

「おかえり」

廉人さんが珍しく優しく言ってきた

あれ?
今日は優しい
どうしてだろう

パーティのときの
模擬練習でもするのかな?

「ありがとうございます」

「まずはエステだな
その次は…」

ん?
廉人さんの言葉が途切れた

「どうしたんですか?
廉人さんのお店で女性の観察ですよね?」

「まあ、そうだけど」

なんか
不機嫌?

悪いことした?

気付かないうちに
何か仕出かしたのかな?

エステの駐車場についた
私は助手席を下りて

後部座席に置いた
学生鞄を掴んだ

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