私の仮恋人は親友のお兄さん
「違う、ちがう」

廊下に出た私に
果恋ちゃんが呼び止めた

「はあ
こっちも鈍感だったんだ」

「え?
だって眠いって」

「そういう意味の『寝たい』
じゃなくて

花音とエッチしたいって意味だよ」

私の顔が一気に赤くなる

「だって処女は嫌だって
面倒だって」

「ん~
あれは遊びで抱くなら
処女は面倒ってことで

本気なら処女のほうが大歓迎って感じ?」

果恋ちゃんが
困ったように説明をしてくれた

「…ていうか!
何で私が二人の通訳なわけ?

ちゃんと二人で話をすればいいことじゃん
違う?」

果恋が怒った

「お前、出てけよ
話をするから」

「はいはい
私はこれを届けに来ただけですから」

そう言って果恋ちゃんは
麗華さんからもらっていた
招待状を
廉人さんに渡してくれた

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