夏色メモリー【完】
7月31日
「ねえねえ美空(みそら)ー、野球観に行かない?」
バイト帰り、球場から駅までの道のりでゆんちゃんはチケットを4枚ひらひらさせて見せてきた。
「え、ゆんちゃんそのチケットどこでゲットしたの?」
「ん?マネージャーに貰った」
ゆんちゃんは、かれこれ高校入学したと同時くらいにこの野球場でのアルバイトを始め、結構いるバイトメンバーの中でも古株で、マネージャーとも仲良しだった。
「美空、中学のときソフトボールやってたんだよね?ルールはわかるよね?」
「多少なら……」
それに、プロ野球中継は、小さい頃からなんとなく観てきた。