夏色メモリー【完】



「そんなことないよ」



私は顔を横にぶんぶんと振った。



「そう?俺は、高校の先生よりも上手いなあと思っちゃった」



川藤くんは、私が否定したにも関わらず、サラッとそう言った。


褒めたって何も出ないのに……。



私は自分の唇をグッと噛んだ。
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