神楽先生はそんなに甘くない。
厳格に言うと知人ではないけれど。子供のようなものだけど。そんなこと言ったら誤解されそうなので止めといた。
「へ〜...まぁそれは別に良いんだが、お前なんで教師目の前に堂々と校則違反してんの?」
「......へ?」
こ...校則違反...?
なんのことだろう...と、ふと下を見ると、先ほど時間を見るために取り出したスマホを手に持ったままだった。
やばい...!勝手にしまったつもりになってた...!
慌てて反射的にそれをポケットに突っ込んだ私に、先生は哀れみの目を向ける。