神楽先生はそんなに甘くない。

「(...よし!)」

私は自分に気合いを入れてから、先生の数歩後ろをのんびり歩いた。

そこから、目の前にあった角を右に曲がって、その突き当り。存外、茶道室は近い位置にあった。

「茶道室」とだけ書かれた簡素な紙が扉に貼り付けられている。

なるほど。わかりやすいと言えばわかりやすい位置。これなら先生がいなくても迷わず来れそう...。
しかしながら、先生と出会ったあの位置までは闇雲に歩いていただけなので、まずその位置まで辿り着けるのかは些か謎ではある。

< 68 / 79 >

この作品をシェア

pagetop