神楽先生はそんなに甘くない。
「神谷先生......。」
「は?」
誰だそれ、とでも言いたげに、この学校の先生と思われるその人は、私を見下ろしていた。
心臓が興奮とその他諸々でドキドキうるさい。
「あっ...いや、違くて...。私、教室の場所が分からなくなってしまってですね、」
泳ぐ視線と紅潮する頬。
まさかこんな急に運命が巡ってくるとは思わなかった。
さっきまで「どこが花だよ」とかごちていた自分を殴りたい。