神楽先生はそんなに甘くない。
第4章*運命の恋始めましょう
「はい、どうぞ」
「ど...どうも...?」
季節を感じさせる桜のお茶碗に入った抹茶が、先生の動きに同期して揺れる。
私がおずおずとそれに手を伸ばすと、先生は私の仕草一つ一つを取りこぼさないようにじっとその様を見つめていた。
「(や...やりにくい......。)」
私は背中に嫌な汗が流れていくのを感じながら、桜の絵柄を避け、お茶碗に口つけた。