神楽先生はそんなに甘くない。
茶道室の中は、まるで異世界だった。
異世界...と言えど、別にダンジョンみたいな洞窟だったとかそういう訳ではなく、そこが学校の中だということを忘れてしまうほど、落ち着いた和の空間だったのだ。
6畳ほどの小さな空間でありながら、襖や掛け軸、花など、わびさびを感じさせる、細かな気遣いが垣間見える。
私は抹茶を一口飲み下してから、先生に向かった。
「あの...ここって、先生が管理してるんですよね...?」