神楽先生はそんなに甘くない。
「あぁ、そうだが。なんだ、気に入ったか?」
室内をキョロキョロ見渡す私を横目に、先生は飾ってあった花の水換えを始める。
「素敵だと思います。なんか、先生本当に茶道部の顧問だったんだな〜って感じ...」
それだけ呟いて、私は再び抹茶を飲む。
さっき先生が出してくれた和菓子と調和されたそれが、程よい苦味で口に残った。
「...まぁ、俺が茶道部の顧問なのは非公表だし、イメージわかなくてもしょうがないだろうな」
「......非公表?」