神楽先生はそんなに甘くない。

顧問に非公表とかいう制度あるのか。

私が飲み込めていない、という表情で小首を傾げると、先生は一つため息をついた。

「面倒なんだよ、俺目当てで入ってこられても意味ないし」

あぁ、なるほど。

確かに、神楽先生が茶道部の顧問だと知れ渡っていたら、部員はもっといただろう。

そうじゃないという事は、つまりその事実は茶道部に入った者しか知り得ないというわけで。

「俺高校生のときこう見えて茶道部でな、部室の静かな雰囲気が好きだったんだよ。だから、それ崩されるのが嫌なんだ」

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