神楽先生はそんなに甘くない。
先生の心配りが詰まったこの部屋から、先生のその思いはひしひしと伝わってくる。
ここに最初から先生目当ての人が入ってきたら...、そのつもりはなかったとしても、それは先生の思いを踏みにじることと大して変わりはないのだろうと思った。
「...だから、先生は私が顧問の先生知らないって言った時、『合格』って言ったんですね...」
飲み終えたお茶碗を畳の上にそっと置きながら、私は先生の方を向いた。