ナルシス
3
「ただいま。」
と控えめに声をかけて、夕璃はドアを開く。
広い玄関ホール。
リビングの扉を開けて聞こえた声に、靴をしまう夕璃は顔を上げる。
「こんな遅くまで遊んでいて、悪い子だ。」
「朗叔父ちゃん。どうして?」
夕璃はいたずらを見つかった子供の顔で聞く。
「ママが心配していたよ。毎日ユーリの帰りが遅いって。」
朗の言葉に、夕璃は皮肉な笑みを浮かべる。
「補習、補習。勉強、大変なのよ、これでも。」
朗の顔を見た時の嬉しさは消えていた。
光子のことを言われた途端に。
「こんなに遅くまで。毎日。先生も大変だね。」
徹の、年の離れた弟。
小さな頃から夕璃は大好きだった。
「そう。今時の先生は大変なの。」
朗の横をすり抜ける夕璃。
と控えめに声をかけて、夕璃はドアを開く。
広い玄関ホール。
リビングの扉を開けて聞こえた声に、靴をしまう夕璃は顔を上げる。
「こんな遅くまで遊んでいて、悪い子だ。」
「朗叔父ちゃん。どうして?」
夕璃はいたずらを見つかった子供の顔で聞く。
「ママが心配していたよ。毎日ユーリの帰りが遅いって。」
朗の言葉に、夕璃は皮肉な笑みを浮かべる。
「補習、補習。勉強、大変なのよ、これでも。」
朗の顔を見た時の嬉しさは消えていた。
光子のことを言われた途端に。
「こんなに遅くまで。毎日。先生も大変だね。」
徹の、年の離れた弟。
小さな頃から夕璃は大好きだった。
「そう。今時の先生は大変なの。」
朗の横をすり抜ける夕璃。