ナルシス
8
水を飲みに行ったまま暫く戻らない徹を待って、光子はいつの間にか微睡んでいた。
寝室の扉が閉まる音にはっとして目を開ける。
「遅かったね。どうしたの。」
寝入りばなの気怠い声で光子が聞くと、
「ユーリに会った。」
徹は何かを考える顔で光子を見た。
「そう。何か話したの?」
だんだん目が冴えてきて、ベッドに起き上がる光子。
「部屋まで抱いて行ってって言われて。ユーリが眠るまで傍にいてって言われた。」
ぽつぽつと言う徹に、
「ユーリが?そんなこと言ったの?どうして?」
光子は驚いた声で言う。
「寂しいんだろう。」
徹はフッと寂しそうに笑う。
「それでユーリは?寝たの?」
「ああ。小さい時みたいに寝かし付けてきたよ。子供の時と同じ顔してさ。可愛いんだよ、まだ。」
徹は自虐的な笑顔を見せた。
「ごめん、光子。俺、忘れていたかも。お前とユーリ以外、何もいらないって思っていたのに。」
「どうしたのよ、急に。」
光子が言うと
「明日、ゆっくり話そう。朝、起こして。ユーリと一緒に。」
と言って、徹は布団を被った。
寝室の扉が閉まる音にはっとして目を開ける。
「遅かったね。どうしたの。」
寝入りばなの気怠い声で光子が聞くと、
「ユーリに会った。」
徹は何かを考える顔で光子を見た。
「そう。何か話したの?」
だんだん目が冴えてきて、ベッドに起き上がる光子。
「部屋まで抱いて行ってって言われて。ユーリが眠るまで傍にいてって言われた。」
ぽつぽつと言う徹に、
「ユーリが?そんなこと言ったの?どうして?」
光子は驚いた声で言う。
「寂しいんだろう。」
徹はフッと寂しそうに笑う。
「それでユーリは?寝たの?」
「ああ。小さい時みたいに寝かし付けてきたよ。子供の時と同じ顔してさ。可愛いんだよ、まだ。」
徹は自虐的な笑顔を見せた。
「ごめん、光子。俺、忘れていたかも。お前とユーリ以外、何もいらないって思っていたのに。」
「どうしたのよ、急に。」
光子が言うと
「明日、ゆっくり話そう。朝、起こして。ユーリと一緒に。」
と言って、徹は布団を被った。