ナルシス
10
いつもは夕璃を送り出すと寝室に戻ってもう一度眠る光子。
徹が深夜に夕璃と会った翌朝。
夕璃を学校まで送る徹を、リビングで待っていた。
「待たせたね。」
控えめに微笑んで徹は光子の隣に座る。
「光子。今までの俺を許してくれるかな。」
少し俯いて言う徹。
「どうしたのよ、急に。昨夜から。」
戸惑ったように光子は言う。
「俺、夕璃だけじゃなく光子にも相当寂しい思いをさせたよね。本当にごめん。」
昨夜、夕璃を寝かせた後、ベッドに入っても徹は中々寝付けなかった。
自分が家族にした取り返しのつかないことに、身震いするほど反省していた。
あんなに求めた光子を手に入れて、光子は誠実に徹に付いて来たのに。
小さなこともすべて徹に従い、徹の思う通りの美しい女性になったのに。
そこで満足してしまった。
それ以上、光子を満たすことを止めてしまった。
ひどい夫だったと思う。
徹が深夜に夕璃と会った翌朝。
夕璃を学校まで送る徹を、リビングで待っていた。
「待たせたね。」
控えめに微笑んで徹は光子の隣に座る。
「光子。今までの俺を許してくれるかな。」
少し俯いて言う徹。
「どうしたのよ、急に。昨夜から。」
戸惑ったように光子は言う。
「俺、夕璃だけじゃなく光子にも相当寂しい思いをさせたよね。本当にごめん。」
昨夜、夕璃を寝かせた後、ベッドに入っても徹は中々寝付けなかった。
自分が家族にした取り返しのつかないことに、身震いするほど反省していた。
あんなに求めた光子を手に入れて、光子は誠実に徹に付いて来たのに。
小さなこともすべて徹に従い、徹の思う通りの美しい女性になったのに。
そこで満足してしまった。
それ以上、光子を満たすことを止めてしまった。
ひどい夫だったと思う。