ナルシス
11
ただ黙って寂しさに耐えていた夕璃。
中学生までは反抗もせずに。
たまに徹や光子が家にいると嬉しそうにはしゃいでいた。
いつも笑顔で。
「パパとママが、仕事頑張っているから、ユーリが良い学校に行けるんだもん。」
と意地らしいことを言っていた。
そんな夕璃に対する負い目から、徹も光子も夕璃と過ごす時間を減らしてしまう。
本当は知っていたから。
幼い夕璃が、どれほど寂しい思いをしていたか。
そして夕璃は誰のことも責めなかったから。
あの夜、夕璃が徹の胸を求めたから。
夕璃を抱きしめて、徹の心が動いたから。
まだ間に合う。夕璃から発信してくれたから。
夕璃のなかに期待が残っているから。
絶対に応えたい。
夕璃を最高に幸せな娘にする。
中学生までは反抗もせずに。
たまに徹や光子が家にいると嬉しそうにはしゃいでいた。
いつも笑顔で。
「パパとママが、仕事頑張っているから、ユーリが良い学校に行けるんだもん。」
と意地らしいことを言っていた。
そんな夕璃に対する負い目から、徹も光子も夕璃と過ごす時間を減らしてしまう。
本当は知っていたから。
幼い夕璃が、どれほど寂しい思いをしていたか。
そして夕璃は誰のことも責めなかったから。
あの夜、夕璃が徹の胸を求めたから。
夕璃を抱きしめて、徹の心が動いたから。
まだ間に合う。夕璃から発信してくれたから。
夕璃のなかに期待が残っているから。
絶対に応えたい。
夕璃を最高に幸せな娘にする。