ナルシス
「何曜日は家にいるの?」夕璃の言葉に、

「ママがいない日は、夜遊びしようとしているでしょう。」

と光子は、夕璃を甘く睨む。
 
「違うよ。逆だって。ママがいる日は、絶対に早く帰るから。」

素直に言う夕璃を、光子は抱きしめた。
 


「ユーリ、今までごめんね。一人で寂しかったよね。」と言って。

夕璃の目に涙が滲む。

光子の胸に顔を付けて、そっと首を振る。
 


「ママ、ユーリ以上に大事なものはないこと、忘れていたよ。本当にごめんね。」

光子の言葉に、夕璃は泣き出してしまう。

朗の胸で泣いた時のように。

肩を震わせて。
 



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