ナルシス
18
「ママ、これからパパのお仕事手伝うの。ユーリ、一人でお留守番できる?」
母にそう聞かれたのは、夕璃が4年生の時だった。
「ユーリ、一人で大丈夫だよ。ママ、お仕事頑張ってね。」
夕璃は笑顔で答えていた。
今までだって、母は留守が多かったから。
いつも夕璃は一人でいたから。
お仕事なら仕方ない。
今までよりも少し、一人の時間が長くなるだけだから。
夕璃は母が大好きだった。
若くて美人で、いつも優しくて。
だから本当は、いつでも母と一緒に居たかったけれど。
夕璃はずっと、母の言うことをきいてきたから。
反抗や反発するという選択肢が、夕璃にはなかった。
母にそう聞かれたのは、夕璃が4年生の時だった。
「ユーリ、一人で大丈夫だよ。ママ、お仕事頑張ってね。」
夕璃は笑顔で答えていた。
今までだって、母は留守が多かったから。
いつも夕璃は一人でいたから。
お仕事なら仕方ない。
今までよりも少し、一人の時間が長くなるだけだから。
夕璃は母が大好きだった。
若くて美人で、いつも優しくて。
だから本当は、いつでも母と一緒に居たかったけれど。
夕璃はずっと、母の言うことをきいてきたから。
反抗や反発するという選択肢が、夕璃にはなかった。