ナルシス
ベッドで微睡む徹と光子。

日曜日は、比較的店がヒマだから。

気持ちがゆっくりしてしまう。

甘い時間が二人に心地良い疲労を与えて、優しい眠りに包まれる。
 


「徹さん。そろそろ起きないと。」

寝室の窓が西日に染まって、光子は目を覚ます。
 
「うん。もう少し。」

と言って光子の体を抱き寄せる。


徹の変化に気付いた光子は、
 
「徹さん、本当にどうしたの?」

と甘く問いかける。

徹の指は若い頃よりも濃密に光子を滑りだす。
 

「光子に夢中なんだよ。」

甘く囁かれて光子の体も熱くなる。

こんな日が来るなんて。

2ヶ月前には想像もしていなかった。
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