ナルシス
徹にとっての光子と、光子にとっての夕璃は同じなのに。
光子は自分の寂しさを優先する。
夕璃が同じように寂しいことには気付かない。
それでも夕璃は光子が好きだった。
多分、光子もまた、徹を求めていたのだろう。
小さな夕璃が一人、部屋を散らかし、寝転んでおやつを食べたのは、ささやかな反抗。
夕璃の不満に気付いてほしかったから。
夕璃を置いて出かけることは、光子の反抗だったのか。
徹が寂しさに気付くように。
でも徹は変わらない。
ため息混じりに苦笑するだけで。
光子が散らかった部屋を見た時と同じように。
光子は叱ってほしかったのかもしれない。
どんなに叱られても、その後で抱きしめて側にいてくれればいい。
夕璃が思っていたように。
光子は自分の寂しさを優先する。
夕璃が同じように寂しいことには気付かない。
それでも夕璃は光子が好きだった。
多分、光子もまた、徹を求めていたのだろう。
小さな夕璃が一人、部屋を散らかし、寝転んでおやつを食べたのは、ささやかな反抗。
夕璃の不満に気付いてほしかったから。
夕璃を置いて出かけることは、光子の反抗だったのか。
徹が寂しさに気付くように。
でも徹は変わらない。
ため息混じりに苦笑するだけで。
光子が散らかった部屋を見た時と同じように。
光子は叱ってほしかったのかもしれない。
どんなに叱られても、その後で抱きしめて側にいてくれればいい。
夕璃が思っていたように。