トワイライト(下)

「そっか……可愛いから似合ってるけど、ちゃんと下穿いてる?」


不意に聞こえた単語に喉が痞え、慌てて水を飲み込んで返す。


「穿いてる、よ?ショートパンツだから見え難いだけ……」


その言葉に彼は腑に落ちない面持ちをし、此方を一瞬だけ見て俯き加減に声を落とした。


「茅紗、その格好で余り出歩かないで……男からは誘ってるように見えるし、危ないから」


彼の視線は携帯と此方を行き来しているけれど、画面は暗いままで指先も止まったまま。
言われた事は尤もで自分の身の安全を懸念してるのは理解もして把握もしている。

それでも今一受け入れられず、自分を見てる人など居ないと余裕に考えていた。


「分かった……今度から気を付ける、ごめんね」


そう言いながらテーブルの上を片付ける横目に痛いほど彼の視線が刺さり、居た堪れなくなって逃げ出すようにキッチンへ向かう。


「別に怒ってる訳じゃないから……でも、そんなに軽く考えないで」

「どう、して?」


溜息交じりの言葉に聞き返すと、彼は傍まで来て耳元で囁いた。


「俺も男だし、普通に我慢出来ないから……」
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