保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。

「かしこまりました。ゾウのサリーちゃんですね!サリーちゃん、可愛いですよねっ。それでは少々お待ち下さい!」

優しく私に笑いかけて話を合わせてくれた店員さんはそう言って厨房の方へと向かっていった。

うぅ……恥ずかしい。

さっき見たサリーちゃんがあまりにも可愛くて意識がそっちにいきすぎて思わずサリーちゃんの名前を口にしちゃったよ。

店員さんが優しく合わせてくれたからまだよかったものの。

高校生にもなって小学生、いや幼稚園児みたいな注文をしてしまった。

「菜花ってたまにすごく子供っぽいところあるよね〜」

光莉がニヤニヤと笑いながらそういう。
うっ、今一番言って欲しくないことを。

「子供っぽいって……」

「可愛いなぁって言ってんの〜!」

絶対バカにしてる……。

「しょうがないじゃん、サリーちゃん可愛かったもんだもん……」

「菜花のほうが可愛いよ、ね、夏目くん」

はっ……?

光莉ったら、ほんと隙あらば夏目くんを話しに参加させようとするんだから。
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