保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
「うん、郁田さん、可愛い」
「……っ、」
フワッと笑う夏目くんにイラッとする。
あんまり爽やかな笑顔で言うもんだから少しドキッとしてしまった自分もさらに嫌になって。
どうせ夏目くんは相手が私じゃなくても女の子になら誰にでもすぐそういうことを言えるタイプだ。
表上爽やかイケメンの夏目くんが言うから、変な下心とかあるように見えなくて、それがよけいにたちが悪い。
『夏目くんに言われても全然嬉しくないから』
はっきりとそう言いたいけど、みんなの前だとなかなか本音が言えない。
これじゃあ私もまんざらでもないんじゃと思われちゃいそうで嫌。
それもそれでごめんだし。
やっぱり隣に夏目くんがいると色々と考え込んで疲れてしまう。
ほんと、もっと大人しくしててよね。