保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
「今はそんな気分じゃないの」
「なるほど、ついに菜花も夏目くんを男の子として意識し出してるということか」
なんでそうなるのよ……。
「おー!よっ!乙女菜花!」
なんて雪ちゃん達も騒ぎだす。
「ちょっと、みんなやめてよ……」
「え、郁田さんそうなの?嬉しいなぁ、」
「はっ、」
隣の夏目くんも楽しそうに悪ノリして。
はぁ、誰かこの人たちのこと止めてよ。
「あぁ、もうわかったから……そんなに食べたいならどうぞ、」
夏目くんの顔を見ないまま、スプーンに小さいオムライスを作ってから差し出す。
「え、いいの?」
「ん」
意識しすぎてる、私も夏目くんを好きなんだ、とかそんな風に勘違いされる方が嫌だ。
夏目くんに私のオムライスを食べられるのも嫌だけど。
「じゃあお言葉に甘えて」
夏目くんはそう言うと、私からスプーンを取って自分の方へオムライスを運んだ。
あぁ、めんどくさい……。
「ん!美味しい!ありがとう〜。お礼に俺のエビフライあげるよ郁田さん」
「大丈夫」
私はキッパリとそう断ってから、食事を再開した。
流されてやらないんだから。