保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
「ただ、郁田さんはちょっと強引にコミニケーション取らないと話してくれないところあるから」
「それはめちゃくちゃわかる。菜花って自分の話自分からしないから」
俺がそれっぽいことをいえばみんなの反応は大抵決まってる。
反論してくる人なんてほとんどいない。
「だよね。それで、さっきのお似合いっていうのは?」
「あぁ、私が個人的に推してるふたりってだけで」
「推してる?」
「うん。癒し系の顔していながら割と自分の意見ズバズバ話す泉くんだけど、なぜか菜花のことは気にかけてるっていうか、大事にしてるように見えるから。『オカンか?』みたいな」
「ハハッ、なるほどね」
ムカつく。
気に入らない。
口には絶対出さない代わりに
「バイト先でも一番面倒みいいの泉だったりするからなんかわかるかも」
なんて笑顔で返して同調する。
バイト先で面倒みがいいのも、顔がいいのも認める。
けど、郁田さんは俺が見つけた。
その時点で、誰にも渡さないから。