保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
これはもうきっと『執着』だ。
初めて声をかけた時、一度だけでよかった。
あの時、コロッと俺に落ちて俺のお願いを聞いてくれていれば、
俺だってこんなに郁田さんにつきまとうことなんてなかったはず。
俺をみる時はいつだって険しい目つきで、反抗的なくせに。
今、隣にいる泉とは、くったくない笑顔で話していて、
俺への態度とのあからさまな違いにだってイライラする。
俺に興味ないなんて顔するくせに、弱いところ触れられたら、
急に助けを求める潤んだ瞳で見つめてくるから。
きっと自覚なんてこれっぽっちもない。
身体を貸してほしい、初めはそんな気持ちしかなかったはずなのに。
もっといろんな顔をみたくて。
どんな表情も俺以外に見せないでほしくて。
彼女の周りから固めていこうって作戦だったけど、思った以上に郁田さんは手強い。