保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
今まで自分の感情に罪悪感を抱いたことなんてないのに。
同じ状況の中、自分本位な自分がほんの少し嫌なやつだなって思えて。
でも……。
濡れて冷えた身体を必死に温めようと「はぁー」と自分の手のひらに息を吹きかける郁田さんに、
どんどん、やらしい感情が大きくなる。
シースルーの袖が雨に濡れて肌にピタッと密着して、
郁田さんの細くて白い肌がさらにはっきりと見える。
こんな状況で変なこと考えるなっていう方が無理では。
肌に張り付いた衣服が、身体のラインを強調させて、
郁田さんが、というより、世界が俺のことを煽って見える。
「……郁田さん、寒いよね」
「ん、ちょっと」
両手をギュッと組みながら答えているのを見る限り、絶対ちょっとどころじゃないはずなのに。
絶対に強がるんだから。