保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
「これから俺に何されても、郁田さんはなんの文句も言えない立場だよ」
「……っ、」
「本当の俺のことを受け入れるなら、俺の全部受け止めてよ」
そう言った彼の顔が近づいてきて。
今度こそ終わった、と思った。
夏目くんの言う通りなのかもしれない。
中途半端な優しさは、余計、人を傷つけてしまう。そう教えられた気がして。
「……ごめんなさ…っ、」
ギュッ
目を瞑って、自分の言動を謝ろうとしたけれど、
思わぬ暖かさに包まれてゆっくりと目を開けた。
「えっ……」
何、これ。
夏目くんにイタズラされるかと思って身構えていたけど、彼は私のことをフワッと優しく抱きしめていた。
「……ありがとう、郁田さん」
耳に届いたささやきがあんまり優しくて、ドキッと胸が鳴る。
夏目くんがわからない。
無理やり触れてくるかと思えば、そうじゃなかったり。
一体、何考えて────。
ガチャ
「ただいまーー!!」
っ?!