保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
突然、ドアが開かれると同時に可愛らしい甲高い声が、部屋に響いた。
「涼々ーー!!ただいまーー!!あれ?お客さん?」
間一髪。
夏目くんがすぐに私から身体を離したおかげで、目の前の小さな女の子には見られていなかったみたい。
よかった。
色素の薄い栗色の細い髪は左右上の方でくくってツインテールにされていて。
大きな瞳に綺麗な鼻の形と唇。
まだ幼いのにその顔の作りは出来上がっていた。
お人形さんみたい……。
女の子が来てるのは、私も見たことのある幼稚園の制服だ。
この子、一体……。
「おかえり、瑠々」
さっきまでの体勢を変えてベッドに座った夏目くんが、彼女に両手を広げた。
すると、女の子がすぐに走って夏目くんの腕の中に飛び込んでから、
満足そうにニコニコと笑いながら彼の胸にさらにギュッと顔を埋める。
か、か、可愛い……何この可愛い生き物……。