保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
「ほら、瑠々、挨拶して。お兄ちゃんのお友達の郁田菜花さん」
夏目くんの膝の上で座ったまま、私のことをジッと見る女の子。
可愛い……。
「あ、はじめまして。郁田菜花です」
「っ、な、夏目瑠々です。4歳です。涼々の妹です」
ペコっと女の子に頭を下げて自己紹介すれば、夏目くんに促されて少し恥ずかしそうに女の子が口を開いた。
あぁ、可愛い……。
瑠々ちゃんっ!!
「ね、瑠々の髪、郁田さんのにそっくりでしょ」
「あっ、」
瑠々ちゃんの頭を優しく撫でた夏目くんの言葉に、彼に髪を乾かしてもらった時に思ってたことが、附に落ちた。
夏目くんが女の子の髪の毛を乾かすのが上手な理由。
それは、夏目くんが妹の髪の毛をよく乾かしているから、なのか。
たしかに瑠々ちゃんの細い髪の毛は私に似ている、のかな。
でも、さっきの夏目くんの話からして……。
ふたりは……。
ふと夏目くんを見れば、「うん、まぁ、そういうこと」と小声で言って笑った。
そういう……こと……。
「あら、涼々〜お客さん来てるなら連絡してくれなきゃ〜ケーキでも買ってき……まぁ、」
瑠々ちゃんの次は、夏目くんのお母さんらしい人が部屋のドアから顔を覗かせたと思えば、
私のことを見て、目を大きく見開いて口元を手で押さえてから明らかに驚いた顔をした。
あっ……。
そういえば私、今の格好…‥。