保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。

「菜花ちゃん、時間大丈夫なら夕飯このまま食べていく?」

「えっ、あ、いや、」

「いいね、どう?郁田さん」

夏目ママの思わぬ発言にさらに頭がパニックになる。

なんだこの急展開。

夏目くんの家族と食事?

しかも、あんな話聞かされた後で……一体どうすれば……。

グイッ

服が引っ張られた感じがして目線を落とすと、瑠々ちゃんがうるるな瞳でこちらを見つめていた。

うううっ!!可愛い!!
そんなに可愛い表情どこで覚えてきたの?!

「……お姉ちゃん、一緒に遊ぼう」

ダメだ可愛すぎるっ!!瑠々ちゃん!!

「えっ、いやでも私……」

断ろうと声を出せば、瑠々ちゃんの眉が綺麗にハの字になって、

大きな瞳がさらにうるうると光だす。

「あ、ちょ、瑠々ちゃん、な、泣かないでっ、わかった、わかった、一緒に遊ぶから、ね!」

ずるいよその顔は!!

断ろうとする私がとんでもない悪党みたいじゃん!!

私が慌てて瑠々ちゃんの顔を覗き込めば、彼女の顔がたちまちパァっと明るくなる。

ふぅ、良かった。

人様の子供を泣かせてしまうなんて誰だって避けたいことだろうに。
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