保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。

瑠々ちゃんの機嫌が良くなったことにホッと胸を撫で下ろせば、

夏目ママも「決まりねっ!用意ができるまでゆっくりしてて」と言って部屋を後にした。

決ま……り?

あっ、そっか、今とっさに『わかった』って言ったね、私。

バッと夏目くんの方に顔を向ければ、満足そうにニコニコしていて。

また流れにやられてしまった。

今回は夏目くんじゃなくて瑠々ちゃんにだけれど。

このふたり、顔の整い方から性格まで、似てるな。

この兄に妹アリって感じだ。

「お姉ちゃんは、涼々の彼女なの?」

「え"っ?!」

突然の瑠々ちゃんの発言に、変な声が出た。

幼稚園児で『彼女』って……。
ませてるなぁ。

「ち、違うよ!!全然違う!!」

「え〜違うの〜?」

そう言ったのは、瑠々ちゃんではなく彼女の兄。

「は?」

「そんな怖い顔しないでよ」

「だって……」

「瑠々、あのね」

私が言い返そうとしたら、夏目くんは瑠々ちゃんの方に目を向けて話し出した。
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